鳥類、野鳥図鑑の歴史

スレッド:野鳥 // ジャンル:写真
野鳥が大好きには変わりはないのですが 最近都会の鳥達以外に会ってないです。
今日は鳥類、野鳥図鑑のお話です。
幼いころから私は野鳥を探す事と野鳥図鑑を見るのが大好きでした
図鑑の絵を写して書いてみたり その図鑑に描かれた実物の鳥を見たく 近くの田んぼや畑、草むらを駆け巡り
一日中鳥を追い掛け回したものです。 
それから もっとたくさんの野鳥を知りたく図鑑を集めだしました、最初は子供のお小遣い程度の図鑑しか
買えませんでしたので、100~200種類位が出てれば良いくらいの小学館や旺文社のカラー学習図鑑でした。
初めて青いルリビタキを見た時は飼い鳥が逃げたのかと思っていたのですが
図鑑を見て日本の野鳥にも、こんなに綺麗な鳥が居るんだなぁ と凄く感激したことを良く覚えています。

前書きが少し長すぎましたが、日本で一番最初の鳥類図鑑は何なのだろうと思うのですが
江戸時代では正徳2年(1712)「和漢三才図会」の巻41~44 水禽・林禽・山禽・野禽が出版され 
解説が漢文で私には解読できないのですが東洋文庫から1987年に出版された訳注の本で解説を読むと
特徴がかなり詳しく、 鳴き声、 その鳥に纏わるエピソードが書かれていたりします またその当時 野鳥は日本の食文化であったようで、その鳥が美味しいか不味いかまで書かれているようです。

そしてわが国で最初の近代的鳥類図鑑 明治26(1893)年に、石版手彩色された「有益鳥類図譜」(成島謙吉・籾山鈞)が出版され日本画のような鳥の絵(50図)になります。

有益鳥類図譜

その5年後の明治31(1898)年には「保護鳥図譜」(飯島魁)を出版 鳥の種類は63種類になります。

保護鳥図譜

大正2~3年(1913~1914)になると「日本鳥類図説 上、下、続編」(鳥類学者 内田清之助)の三巻からなる 日本三大鳥類図鑑より先に本格的な鳥類図鑑が出版され内田図鑑と呼ばれています。

日本鳥類図説

昭和に入りますと、鳥類学者に、皇族出身の山科芳麿や、大名、公家の流れの黒田長禮、清棲幸保 等 
貴族階級の人達によって作られた 今では「日本三大鳥類図鑑」と呼ばれるものが出版されます。

昭和8~9年(1933~1934)「鳥類原色大図説 全3巻」(黒田長禮)
絵は鳥類画のパイオニア、小林重三が担当し1092種類の絵が描かれており 日本鳥類の絵図鑑としてはこれ以上の物はないと言っても過言ではないでしょう、この原画は 黒田家が所有していたそうですが 戦災で皆 焼けてしまったそうです。

鳥類原色大図説

昭和8~9年(1933~1934)「日本の鳥類と其の生態 第1巻」と昭和16年(1941)に第2巻(山階芳麿)が出版されました
全5巻で出版される予定だったようですが、戦争による影響を受けて第1・2巻の出版で終わってしまったようですが
この2巻だけで図鑑として十分に成り立っています、解説は形態とか生態が詳しく書かれ 
そして飼育としてのその鳥の価値感や適否が書かれています かなりの種類の野鳥を飼育されていたんでしょうね。
原色図版 8枚にSUGAKOというサインが入っています
山階芳麿博士の妻 「寿賀子」夫人が描かれた鳥が図版に使われたようです。

昭和27年(1952)「日本鳥類大図鑑 全3巻」(清棲幸保)
戦後最大の図鑑で、その後 昭和40年(1965)「増補新訂版 日本鳥類大図鑑 I~III」
昭和53年(1978)「増補改訂版 日本鳥類大図鑑 (全4巻)」が出版されています
野鳥生態写真や生態における解説が多く書かれており、図版には、羽が全く生えてない雛の絵や幼鳥の絵(他の図鑑には無い)
そして卵などがカラーで描かれているのが興味深いです。

日本三大鳥類図鑑
日本三大鳥類図鑑

昭和31年(1956年)「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助)
コバケイ図鑑と呼ばれ この時代あたりから図鑑がコンパクトになり、一般向けに発売され 425種類の原色図版そして
形態、生態、分布などの解説が書かれており、11万部以上も売れたと言う実用図鑑です。
当時価格1200円でしたので、昭和31年当時の大卒 銀行員初任給平均が1万円でした
現在 20万円と考えて、 今買うと24000円位の本となるわけですから、今考えますと決して安い本ではありませんが
やはり実用性のある図鑑ということで売れたのでしょうね。

昭和39年(1964)「原色鳥類検索図鑑」(宇田川竜男)
検索図鑑として各形態や各部の名称から覚えることが必要という事で各部名称の検索図表から始まっています。
428種類も鳥類の原色図版と形態、生態、食性、分布などの解説が書かれており
鳥の形態覚えには、とても参考になります。
当時価格3000円 昭和39年当時の大卒 初任給平均が2万円
今ですと30000円位の本になってしまいます、本当に野鳥が好きでいろいろ知りたいと思わないと買わないでしょうね。

日本鳥類図鑑

昭和40年代以降になりますと、野鳥撮影される人も増えて来て、カラー写真図鑑とフィールド図鑑の幕開けになりました、
高野伸二氏を筆頭にたくさんの写真家、研究家が出てきて たくさんの野鳥図鑑が出版されました。

平成になった現在、写真による細かな識別がポイントとなった図鑑が多く見かけるようになりました。


最近「富士山野鳥図鑑」を手に入れました。。 絵を描かれたのは 富士鷹 なすびさん
とても可愛い富士山に棲息する野鳥たち。。
購入できるのは、富士山5合目の富士山みはらしと日本野鳥の会だけなようです。
袋とじを開け、箱を開けると 本ではありませんが、富士山の鳥の野鳥図鑑となった、小まんじゅうです。
食べるのが ちょっと勿体ないような。。

野鳥図鑑

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「富士山の鳥・生態小図鑑」のご紹介

スレッド:野鳥の写真 // ジャンル:写真
数か月前に唐沢孝一先生よりメールにて、今年は『富士山の鳥』を企画・編集中との事で
イワヒバリの写真を1~2点お借りしたいという事でしたので、2点 快くお貸し致しました
そして小図鑑の印刷が出来上がり出版されましたという事で、送っていただきましたのでご紹介いたします。

富士山五合目の奥庭で撮られた水場の鳥達、そして奥庭からの風景(赤富士はお見事)や高山植物、キノコ
地衣植物、それぞれ解説されています。 

ご購入は 唐沢孝一先生のページよりできます。 
http://www.zkk.ne.jp/~karasawa/u-bird.html

富士山の鳥・生態小図鑑

富士山の鳥

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保護鳥写真図

スレッド:野鳥 // ジャンル:写真
日本で最初の鳥類図鑑 「有益鳥類図譜」(1893[明治26]年)に始まり
それから5年後に飯島魁 著「保護鳥図譜」(1903[明治31]年)が出版されました

保護鳥図譜として購入した図鑑(東京帝國大學教授理學博士飯㠀魁先生校閲)

保護鳥写真図

飯島

調べると絵が違うのと、発行社が違っていました (東京造画館発行)
(アマツバメの絵は尾の先端に針が出てるしハリオアマツバメですね)

保護鳥写真図

「飯㠀魁」「東京造画館」で検索すると 『保護鳥図譜』では無く 『保護鳥写真図』とわかりました
頁の図の順番が1図2図5図6図になっていて4図5図が次頁になっていたので不思議だなと思っていると
軸になっていた物を切取り、冊子にしてしまったようです。
元は、5軸からなっていたようです。

保護鳥写真図

鳥の解説は全く無く、鳥名の下に全長が記載されているだけですが
絵は141図まであり明治の図鑑としては種類が一番多いかもしれません。
発行された年代や詳しいことは良くわからず「奈良女子大学 学術情報センター」で
5軸が所蔵されていることだけです。
最初の状態がどのうような物だったのか 知りたいです 。

保護鳥写真図

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和漢三才図会

スレッド:野鳥 // ジャンル:写真
まだ最新の写真ネタがございませんので、また古い本を取り出してきました
江戸の中期(1713年頃)に発行された、当時の挿絵入り百科事典で「和漢三才図会」と言います
そんなこと言われても和漢ないって?
中国の三才図会に感銘を受けたお医者さんが、それを手本にして30年以上かけて
(105巻81冊)作ったそうです
全巻揃えようかとも思ったのですが、良い車が一台買えそうなので止めました
41~44巻までが鳥類の部になっています。

和漢三才図絵

学生の時に漢文を習った記憶はありますが、すっかり忘れてしまいました
でもこの図解で 当時の人は 鳥を見て名前が分ったのでしょうか?
その頃は 野鳥を飼って楽しんでいたようで、鳥を飼う手引き 飼養書が出版されています。

和漢三才図絵
左から トキ、アオサギ、ダイサギ

東洋文庫から口語訳された和漢三才図会が発行されていて
和漢三才図会6巻を読むと この本の書かれている内容が良くわかります

和漢三才図絵
左から ミソサザイ、ノジコ、アオジ

学生の頃は鳥の鮮明な写真図鑑を求めていましたが、今は古い手描きの鳥類図鑑や絵を求めるようになってきました
そして子供の頃は50年後の未来に行ってみたいとか夢があったものの、今は夢が無くなってしまったのか
江戸中期に戻り当時の暮らしを覗いてみたいという気持ちに変わって来ました
その頃は日本のトキやコウノトリなど身近な鳥だったことでしょう。

和漢三才図絵
左 アトリ 右 キクイタダキ

もっと詳しい内容が知りたい人は、検索されると和漢三才図会 全文が見れます
かなり有名だった本なのかもしれませんね、神田神保町の古本屋でも偶に見かけます。

和漢三才図絵
左 トビ 右 ミサゴ

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牧野富太郎 訂正・補正図鑑

スレッド:草花 // ジャンル:趣味・実用
今年は「日本の植物分類学の父」と称される牧野富太郎博士の生誕150年を迎えましたので
この話題にいきます。 牧野先生はケヤキ、マキノスミレ、ウバユリなど約1600種類の植物を命名しました。

約20年前 登山が好きでしたので神田神保町の古本屋で高山植物の図鑑を探していました。

牧野富太郎

手頃の大きさの図鑑を手にし、表紙を開くと見返しのページには
「進呈 著者」 と書かれていました。
進呈本は、珍しくはありませんが
著者が牧野富太郎先生でもあり、牧野先生が描かれていた植物の絵も綺麗でしたので
この図鑑を購入しました。
お店の人も牧野先生の進呈本とは知らず、レジで見せると達筆ですねと言いながら 売値通り800円で購入しました。

牧野富太郎

この図鑑が発行されたのが、昭和28年 牧野先生は91歳のお歳でした
家に帰り 図鑑を見ていると第三十図版のところで。赤ペンで字が書きくわえらたのと訂正線が入っているのに気づきました。
最初はあとからいただいた方が、書き込んだのかなと思いましたが、素人の人がこんなところに
書き加えることが無いだろうと思いました。

牧野富太郎

牧野富太郎

不思議なのは「2」でぎんりょうそうもどきがあるのに、また何故「1」をぎんりょうそうもどきにしてしまったのか
わかりません、 解説文にも 果実は球形の・・・・のと付加されていますが これは ぎんりょうそうの説明と
思われます。。

「も」の字を見るとすごく特徴があり、 当時は未だネット環境が無く 今みたいに検索ができませんでしたので
牧野先生直筆のものが無いか また神田神保町に行き探しました。
見つけた本が 「牧野富太郎博士からの手紙」と言う本でした。

牧野富太郎

本の中には牧野先生が書かれた字がたくさんありましたので
比較は容易でした、とりあえず一番特徴のある「も」の字を探すと「し」からチョンチョンと右へ突き出さいない
書体は全く同じものでした。
他にも比較出来る字がありましたので、丸で囲んでみました。。

牧野富太郎

絵と違って贋作することは無いでしょう
牧野先生が出版した図鑑に ご自身で訂正文が書き込まれてるなんて
かなり珍しいレアな図鑑かなと思います。。

この訂正文を書き込んだ時には、すでに91歳以上です
訂正しなくても良かったのでは?? でも訂正していただいたので、貴重な図鑑になりました。

牧野富太郎

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訓蒙図彙

スレッド:野鳥 // ジャンル:写真
今日は休みで撮影に出かけようと思ったのですが生憎の雨で、最近購入した図鑑の話題にします~。

オークションで、日本で最初の図解百科事典「訓蒙図彙 (きんもうずい)」が目に止まり
子供の頃 図鑑マニアの私 少々値が上がりましたが落札いたしました~ ^_^;
オークションでの説明文には、「寛文6年(1666)に刊行された初版です」と書かれていたのですが
落札後、調べると初版は1頁に上下2図を載せているとのこと
この本は、1頁に4図が載る第2版で、寛文8年(1668)に刊行されたものでした。

落札後、出品者に違う事を伝えると、直ちに返金いたしますので、返送して下さいと言う連絡でしたが
第2版でも今後、全巻揃えるのは困難だろうと思い、そのまま購入いたしました~。
初版で1~20巻の全14冊 第2版になると半分の全7冊になるのですが
落札した物は合本にされ、第1~9巻(上)10~20巻(下)の2冊になっていました。

訓蒙図彙

江戸時代の百科事典で有名なのが、訓蒙図彙から約50年後
正徳3(1713)年頃出版された図解百科事典で「和漢三才図会」です
私も1冊、55~56巻(土地類、山類)を持っているのですが
解説が漢文の為 難しく、挿絵も訓蒙図彙から模刻したものが多いです。

訓蒙図彙の13巻が禽鳥となっていて、72種類の鳥と1頁4図は鳥の部位名となっています
江戸時代は、野鳥や鳥類と言う言葉は無く、水鳥を水禽、山の鳥を 林禽・山禽・原禽と
分類していたうようです。
野鳥と言う言葉は、昭和の始め 野鳥の会 創設者 中西悟堂が作った言葉だと
確か記憶があります。

訓蒙図彙

最初の項は、空想の鳥 鳳凰から始まり、孔雀・オウム・ホトトギスになります
全部取り上げるのは大変なので、一部分アップいたします。

訓蒙図彙

この頁には、ウグイス・ツバメ・ヒヨドリ・カササギ  
次項 ハシブトガラス・ハシボソガラス・キジバト(当時はこちらがタダのハト)・カワラバトになるようです。

訓蒙図彙

ヒバリ・オオルリ・ホオジロ(最初ガビチョウかと思いました)・ウソ
サンジャク(中国のカササギの仲間)・レンジャク・ゴイサギ・ハッカチョウ

訓蒙図彙

アオバト・カッコウ(尾を上げ過ぎ、最初コマドリかと思った)・コノハズク・ヨタカ
クマタカ・トキ・ハッカン(中国のキジの仲間)・サンコウチョウ

其の他 マナヅル・ナベヅル・オオタカ・ハヤブサ・イヌワシ・トビ・フクロウ・ミサゴ
タシギ・ウズラ・ツグミ・モズ・スズメ・カワセミ・アオジ・ニワトリ・キジ・シャモ
チャボ・ヤマドリ・ヤマシギ・クイナ等が出ています。

鳥の写真を撮る人には天文好きの人も多いと思いますので
天文の一部アップいたします。

天文

星座も今とは違う見方をして、星座名も尾や角 どの星をつなげて見ているのか解りません。

訓蒙図彙

参とは、オリオン座のようですね  昴はプレアデス星団 天漢は天の川
孛とは、星雲のようです。

訓蒙図彙

晦とは、新月の前日(月の最後)    朔とは、新月(月の最初)
上弦とは、太陽の東側に見える半月   下弦とは、太陽の西側に見える半月 
望とは、満月のことなんです~。。


お~ 歴史言葉の勉強になりますね~  ((´∀`*))。。。

その他 巻によって、地理・居處・人物・身體・衣服・寳貨・器用・畜獣・龍魚・蟲介・米穀・果蓏・花草
と分類し 江戸初期 当時の様子などが伺えます  全部取り上げられないのが残念~。。

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